kyonyの探訪記

茨城を中心に、交通や街並の風景をお届けします。だいたい毎週日曜更新、予定。

弥彦線・新潟の旅

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越後路へといざなう・Maxとき号
新型コロナウイルス感染症対策による外出自粛要請が解かれた最初の週末=2020年6月20日・土曜日。私は前々から画策していた、新潟への飲酒旅を決行することにしました。飲酒を伴う旅行ということで、今回は愛車ではなく、久しぶりの鉄道旅です。

週末パスを使います。

今回利用する切符はJR東日本から発売されている「週末パス」。JR東日本の新潟支社・仙台支社管内を北限とする広いエリアが乗車できるフリー乗車券で、JRのほかにも地方私鉄・三セクも乗ることができるのも特徴。別途特急券を購入すると、新幹線・特急に乗車することができます。

ただし、利用前日までに購入する必要がありますのでご注意。お値段は8,880円です。

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週末パスの券面

久しぶりの鉄道旅行!

思えば、茨城県北に引っ越して(舞い戻って)から最初の鉄道旅となります。

普段は車使いなのであんまり気にしていませんでしたが、自宅が駅から遠く、始発列車に間に合うためには朝4時に起きてテクテク歩くしかありません、早朝はバスも走ってないので。

列車にゆられ、友部駅に久々に下車、水戸線に乗り換えです。週末パスは特急券を別に購入すれば特急に乗れますが、その金額を少しでもケチるために、上野まで出ず、大宮から乗ることにします。というわけで、常磐線をそれて、水戸線で小山まで参ります。

久しぶりに水戸線に乗車しました。学生時代に青春18きっぷでよく利用したこの路線は、現在の使用車両はE531系のみで、415系が使われていたのは過去のこと。E501系電車のデッドセクション時の不具合もあり、水戸線では全部の列車が最新鋭のE531系電車です。

早起きだったのでうつらうつらしていると、あっという間に終点の小山駅宇都宮線に乗り換えです。小山近くでは車内は高校生でほぼ満員でした。茨城県西から栃木への越境通学は結構な数がいるのですね。

宇都宮線、久しぶりに乗りました。E231系宮ヤマ車でした。この車両はとてもお尻にダメージがかかるペラペラ椅子。結構きびしい。小山から大宮までは50分ほど。小山は藤エ門のつけ汁肉うどんが食べたいところですが、まだオープンしていません。さっさと大宮へ向かいましょう。

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友部駅E531系電車

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朝の小山駅

Multi Amenity eXpress

大宮駅に到着、巨大な駅です。ここで上越新幹線に乗り換え。東海道新幹線は出張でよく乗車しましたが、JR東日本の新幹線は旅行でしか使わないので、個人的には旅情を感じます。

これから乗車するのは「Maxとき号」新潟行きです。MaxはオールダブルデッカーE4系16両編成、圧倒的収容力を誇る、その名の通りMaxな新幹線です。背も高く、入線したときの姿に圧倒されます。

新幹線は遮音壁があり1Fの眺望は絶望的なので、2Fの座席へ。お金がないので自由席。上越新幹線はよほどのことが無い限り自由席が埋まると言うことはありません、ましてやMax。

Maxの2Fは、凶悪の3+3の座席配置で、なんと座席のリクライニング機構もありません。通勤特化型です、さすがMax。想定通り、土曜日朝でしたが自由席乗車率は低く、3列シートを独り占めできたので苦痛ではありませんでした。

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Maxとき305号に乗車
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Multi Amenity eXpress
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3+3の座席配置
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緑あふれる上毛高原駅 いつか駅舎探訪したい。

燕三条駅に到着

大宮駅から1時間半ほどで、新潟県県央地域に位置する燕三条駅に到着、弥彦線との乗り換え駅です。新幹線の駅、特に上越新幹線の駅は駅構内も巨大な造りをしていますが、弥彦線ホームは無人駅のような扱い、ワンマン列車も限られた乗車位置からしか乗車できません。ギャップがすごい。

当駅で弥彦線に乗り換えて、東三条駅に向かいます。接続が悪く1時間ほど待ちます。駅の中に「T-Wing」という燕・三条の工業製品を取り扱うセレクトショップが10時よりオープンしたので、そこをしばらく眺めていました。このあたりで生産されるカラトリーは名産品で、私もスプーンを一本購入してみました。

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燕三条駅の駅名標

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弥彦線へのアプローチ

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新幹線駅舎と弥彦線ホームとの対比

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燕三条駅で購入したスプーン

三条カレーラーメン

弥彦線東三条に到着し、ここで折り返して起点の弥彦まで向かいます。燕三条からそのまま弥彦に向かうのでも良かったのですが、せっかくなので弥彦線を全線乗車してみよう、ということで、東三条に一旦寄っています。

次の弥彦行きの列車は1時間半以上。ここいらで昼食を摂ることとしました。

T-Wingで放映されていた地域の紹介動画の中に、「三条カレーラーメン」なる食べ物が紹介されていました。ルーツはよくわからないですが、市内にはカレーラーメンを食べさせてくれるお店がいろいろあるらしい。ということで、お昼はそれに決定。

東三条駅の改札を出て、市街地をてくてく歩いて行くと、目当ての中華屋さんがありました。その名も「華園」。店の看板には「広州名菜」と「本場インドカレー」が併記されており、ちょっと?となりましたが、だったらカレーラーメンはおいしいはず、と思って入店。

11時のオープンと同時に入店、お客は私と地元の方1名。餃子をアテに、ビールを飲んでいる……いいなあ。出てきたカレーラーメンは想像通りの見た目。スープはサラサラしており、スープカレーラーメン、といった感じ。ご飯とお漬物も付きます。税込み900円也。ニンジン・タマネギ・ジャガイモと、カレーの定番具材がゴロゴロ入っており食べ応えは十分。チャーシューもトッピングされています。カレーは看板のインドカレーではなく日本風のカレー、まろやかな味わいで辛さ控えめ。おいしかった。満足。

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華園外観 中華だがカレーもオススメらしい

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カレーラーメンのパンフレット

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華園のカレーラーメン

弥彦線完全乗車の旅へ

今回は鉄道旅行なので、弥彦線の完乗の旅をひとつの主目的に含めました。

弥彦線は、越後一宮の彌彦神社の門前駅である弥彦駅から、燕三条駅を経て、信越東三条駅へと至る全長17.4kmの路線。完乗といっても、距離は短く、ハードルは低いのです。

弥彦線東三条駅の0番線から発車します、「0番線」はなかなか珍しいですよね。もともとは駅の東側に弥彦線ホームがありましたが、それが廃止され、1番線ホームの南寄りの西側に設置されました。そのため、このようなナンバリングになっているのですね。

東三条駅12時10分発の弥彦行きは、土休日のみに運転される列車。平日は13時10分まで、弥彦行きの列車がありません。ありがたい。2両編成の列車は三条・燕の市街地を走り抜けると、広大な越後平野を貫きます。吉田駅で越後線と交わりつつ、弥彦山麓へと向かいます。起点から終点まではおおよそ30分。矢作駅近くでは日本一の大鳥居が見られますが、シャッターチャンスを完全に逃して写真はありません笑

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東三条駅0番線

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終点の弥彦駅

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弥彦駅の駅舎

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弥彦駅時刻表

彌彦神社へお参り

せっかく弥彦に来ましたので、彌彦神社へお参りします。次の列車は2時間半後、いい感じのインターバルです。

梅雨時でしたが、この日は気持ちの良い青空でした。それほど暑くもなく、観光日和となりました。弥彦駅から彌彦神社までは、徒歩で15分ほどで到着します。門前町には温泉を有する旅館やお土産店が軒を連ねて楽しく歩くことができます。

彌彦神社の御祭神は天香山命(あめのかごやまのみこと)。農耕漁業をはじめとする様々な産業の神様です。赤い「一の鳥居」をくぐると木立に囲まれた、荘厳な雰囲気が立ちこめています。涼しい風が吹いていた非常に心地が良い。彌彦神社の境内は結構広いです。本殿の他にも摂社末社、鹿苑、相撲場なんかもあります。ゆっくりと見て回りました。

門前の旅館街を経由して帰ります。おいしいおまんじゅうが並んでいましたが、おいしい夕飯のために我慢しました。外苑坂通り沿いに「おもてなし広場」と呼ばれる観光客向けの施設があって、そこには足湯が設置されていますが、コロナ対策のため枯れていました、残念。弥彦村内はいろいろと散策出来るので、足を癒やすことができる足湯はとてもありがたい存在。

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参宮通り

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彌彦神社 一の鳥居

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弥彦山の麓の御本殿

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摂社・末社

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門前の旅館街

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おもてなし広場の足湯は枯れていた。

いざ、新潟へ。

さあ、いよいよ、日本海側最大の都市・新潟へと向かいます。

弥彦駅で15時11分発の吉田行き列車に乗り、終点吉田から越後線に乗り換えて新潟へ向かいます。越後線も単線のローカル線、ところどころで列車行き違いを行います。先頭車両に乗ったので、ジリリリリリリリキンコンキンコンキンコンがよく聞こえてきました。内野駅からは新潟近郊の通勤列車色が一層濃くなり、20分に1本と高頻度運転がなされ、大都会新潟へと近づいていきます。

新潟駅周辺は現在進行形で高架化工事が行われており、新潟駅越後線ホームは高架化が完了、供用されています。国鉄色を30年以上残してきた新潟駅にもようやく改良の手が加えられ、生まれ変わろうとしています。

終点新潟に到着、ここから「古町」へと移動します。「古町」は駅を出て、信濃川を渡ったところにある、新潟の昔からの中心市街地。駅から古町へはバスが高頻度運行していますが、せっかくなので2015年に開業したBRTに乗車してみました。2両編成の連節バスが特徴のBRTは「萬代橋ライン」という愛称が与えられ、新潟駅を出て本町・古町・市役所・関屋を経由して青山へと向かいます。専用道の設備はありませんが、他の路線バスよりも停留所を絞っているのと、連節バスの収容力という点において、他の路線と異なります。

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吉田駅で越後線に乗り換え

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新しい新潟駅の高架ホーム

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BRT連節バス

夜の古町へ

古町は、新潟の中心市街地で、古くから商業地として発展してきました。8番町・9番町には花街が置かれ、県下最大の繁華街となっています。今夜はここで、新潟のおいしいお酒を飲みます。宿ももちろん古町で押さえてあります笑

お店は、古町8番町にある「旬菜酒菜 五郎古町店」、古町でも屈指の人気を誇る居酒屋さんです。新潟なので日本酒の種類が豊富ですが、食べ物も地物のメニューが豊富、観光客にとってはとても嬉しいお店。

もちろんお酒は最初から日本酒。1杯目はお店の名前でもある「五郎」、このお店の限定銘柄でしょう。日本酒感が強めで飲み応えがあります。濃い味付けの料理にぴったりですね。料理は日本海で捕れたお魚、栃尾の油揚げ、桃太郎トマトなどなどをオーダー。

2杯目は、新潟市西蒲区の酒造・笹祝。スッキリ飲めるお酒です。どんどん進んでしまいがち。9割は県内消費されるという笹祝、こうしたお酒に出会えるのも現地に赴くことの楽しさです。

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古町のアーケード
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栃尾の油揚げ
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地場物のお刺身

しっぽり飲める二軒目へ!

五郎では新潟の友人を誘って飲んでいました。そこで別れましたが、個人的にはせっかくなのでもうちょっと飲みたい、、、ということで、はしご酒です。

二軒目のお店は、古町・西新道通りにあるビルの3階の「月ひかり」。晩酌セットはカウンター席限定で、料理が4品+1ドリンクで1,500円、ひとり飲みにはうってつけというわけです。

この日のお料理は、お通し・お刺身の盛り合わせ・お豆腐・車麩の唐揚げ。特に気に入ったのが車麩の唐揚げ。車麩のおつまみとは、流石新潟です。竜田揚げ風の味付けで、これが日本酒に合います。日本酒は長岡の銘酒・朝日山。すっきり辛口、定番のお酒です。

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晩酌セットは1,500円!
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お豆腐は自家製手づくり

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車麩の唐揚げ
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良い雰囲気の西新道通り

早朝から活動していたため、眠くなってきました。これにて本日終了です。おいしいものがたくさんある街は楽しいです。いやー新潟いいですね。

最速のとき号に乗って

2日目、東京で用事があるので、早々に新潟を後にします。

乗車したのは とき 314号。この とき 号の停車駅は、大宮・終点東京です。長岡・越後湯沢・高崎・上野にも停車しない、超速達型。次発のとき号よりも25分ほど早く東京駅に到着します。

駅のキオスクでは「風味爽快ニシテ」を購入。サッポロビールの新潟限定ビールです。サッポロビールの礎を築いた中川清兵衛・大倉喜八郎は新潟の出身ということで、故郷新潟に感謝して製造されたという特別なビールです。

ビールを飲みながら優雅に移動、鉄道旅の醍醐味です。

始発駅なので自由席に乗車しましたが、席はガラガラ。途中駅をことごとく通過してしまうからでしょうか。新潟を9時04分に発車した とき312号 は、1時間ちょっとで大宮に到着、上野を通過して東京駅に10時43分に到着しました。ここから特急に乗って茨城へと帰るのでした。

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この万代口駅舎も2020年秋には見られなくなる
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新潟の次は大宮
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風味爽快ニシテと柿の種
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人が少ない東京駅

あとがき

新潟への鉄道旅、なかなか楽しめました。お酒を飲んでも安心の鉄道の旅は、新潟旅行にうってつけ。古町にはバリエーション豊かな飲み屋がありますので、近いうちに再訪して、色々開拓していきたいと思います。

新潟駅には「ぽんしゅ館」という、日本酒や地場の調味料を取り扱うショップがあります。今回は時間の都合で訪問できませんでしたが、そこでは県内酒蔵の日本酒飲み比べコーナーがあります。ここでじっくり楽しんで、気に入ったお酒を購入して帰ることができます。

いや、本当に立ち寄りたかった。。。

次こそは。