茨城県道60号 十王里美線 は、茨城県北の山あいを抜ける主要地方道のひとつ。
本路線の地名は、いわゆる平成の大合併の際に消滅した自治体名になっています。十王は旧・多賀郡十王町=現・日立市、里美は旧・久慈郡里美村=現・常陸太田市となります。ちなみに、日立常陸太田線という路線名称は県道37号で使用されています。
全線に渡り、阿武隈山系の山の中を走ります。起点からしばらくは、拡幅整備されたのが近年とあって、周辺の同様県道と比較すると一番の快走路と言えるのですが、県北広域農道との交差点を過ぎると改良区間が終了し、幅員が半減します。といっても、離合不可能というわけでもありません。
十王町中心部では都市計画道路が整備中で、本路線が山部交差点より東へと延長する工事が行われています。
データ
総延長:18.563km*1
起点:日立市十王町山部(県道10号交点)map
終点:常陸太田市上深荻町(国道349号交点)map
路線認定:1982年11月1日*2
レポート
今回は終点から起点に向かうレポートとなります。
▲終点の上深荻交差点。行き先が「日立」と書いてあります(昔は「十王」でした)が、日立市街へ向かうならこの先の県道36号を左折する方が良いです、平成の大合併の弊害ですね。栃木のように「那珂川【馬頭】」みたいに記載するのがよいですね。まあナビが普及しているいま、青看だけを信じて運転する人は少ないんでしょうが。
▲山道によくある道路情報です。昔ながらのタイプ、県道制定時から設けられているモノなのでしょう。終点側から入ると1.5車線の山道がすぐにスタートします。
▲山あいの小集落を縫っていきます。一部では2車線に改良されています。
▲改良区間はそう長くは続かず、集落を過ぎると再び幅員減少します。
▲日立市に入ります。
▲日立市中深荻町は昭和の大合併時から日立市です。というわけで本路線は、平成の大合併前は日立市をかすめるような線形をしていたのですね。
▲堅破山の入り口です。日立市内ではもっとも標高のある山(658m)です。
▲昔はこのあたりで十王町に入っていました。ここから下りに入ります。
▲基本的に1.5車線。杉林を抜ける道です。離合不可能な箇所はほとんどないですが、カーブでの見通しがとても悪いため対向車には注意です。
▲一気に視界が開けます。高原小学校は2007年に廃校となりました。
▲この、視界が開けた高原日向集落から道幅が一気に広くなって快走路となります。
▲県北広域農道と交差します。1枚目の交差点で県道36号・常陸太田方面へ、2枚目の交差点で国道461号方面と交差します。
▲この押しボタン信号、起点と終点の間で唯一ある信号機です。たかはら自然塾は2007年に廃校となった高原小学校の跡地を活用した生涯学習施設。
▲十王川と並行して走ります。
▲十王ダムの入口交差点。パノラマ公園という公園が併設されています。ケツがかゆくなるローラー滑り台が楽しいです。
▲終点の山部地区に入ります。
▲終点の山部交差点。里と山を分かつ県道10号・日立いわき線との交差点です。ここから先は都市計画道路区間となります。
▲座禅山工業団地内を進みます。町道時代から変わっていませんので少し細い道となります。
▲工業団地を抜けると路肩もある広々とした道路になります。都市計画道路部分にはヘキサがありませんが、唯一この青看にはヘキサが描かれています。この先は工事中なので行き先の表記がありません。
▲しばらく進むと突如として供用部分が終わります。2020年6月現在は常磐線を跨ぐ陸橋が建設されています。ここの建設が完了するといよいよ国道6号まで開通します。
取材時期:2020年5月
*1:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%A8%E5%9F%8E%E7%9C%8C%E9%81%9360%E5%8F%B7%E5%8D%81%E7%8E%8B%E9%87%8C%E7%BE%8E%E7%B7%9A、Wikipedia 「茨城県道60号十王里美線」、2020年6月16日閲覧
*2:http://soumu.pref.ibaraki.jp/file/PDF/1982/198211/gai225.pdf、「茨城県報号外第225号」2020年6月16日閲覧