kyonyの探訪記

茨城を中心に、交通や街並の風景をお届けします。だいたい毎週日曜更新、予定。

梅薫る 偕楽園 に行ってみよう。(水戸市)

f:id:kyony1024h:20200301120541j:plain
梅が咲き誇る園内

茨城県が誇る観光地のひとつが、水戸にある「偕楽園」ですね。

日本三名園*1のひとつに数えられる偕楽園
園内には、およそ3,000本の梅の木が植えられており、初春の今がもっとも園内が華やかとなります。

梅の開花の時期に合わせ、「水戸の梅まつり」が開催され、隣接する常磐神社には出店が立ち並び、例年賑わいを見せています。

コロナウイルスによる行楽自粛のムードの世の中ですが、むしろゆっくり観られるのでは?と思い、久しぶりに出かけてみることにしました。


この日は水戸駅で下車。

梅まつりの今の時期が、水戸で一番の観光シーズン。改札の上には歓迎の横断幕が掲げられています。ちなみに、東京からJRで来る場合は、偕楽園駅という臨時駅が開設され、そちらの方が便利です。

改札を抜けたら、右手の北口に向かいましょう。

f:id:kyony1024h:20200301103825j:plain
歓迎の横断幕

水戸駅から偕楽園へは少し距離がありバスで向かいます。

北口バスターミナルの4番乗り場(茨交)と6番乗り場(関鉄)が、偕楽園行きのバス乗り場。水戸の観光に便利な「水戸漫遊1日フリーきっぷ」という切符(400円)が発売されていますので、それを買うと便利です。往復の通常運賃は480円なので、往復するだけで元が取れますし、偕楽園の入場料が少し割引になります。またこのフリーきっぷ、茨交にも関鉄にも、それぞれ乗ることができます。

偕楽園方面へのバスは、土休日は1時間に5本程度の間隔で運行されています。

この日は4番乗り場に臨時のきっぷうりばが設けられていました。

f:id:kyony1024h:20200301104124j:plain
バスターミナル4番乗り場
f:id:kyony1024h:20200301104139j:plain
水戸漫遊1日フリーきっぷ

f:id:kyony1024h:20200301105328j:plain
偕楽園方面行きのバス

茨城交通10番系統のバスには、「偕楽園」と名の付く停留所が2箇所ありますが、そこでは降りずに、少し手前の好文亭表門入口」で下車すると、園内を横断しながらまんべんなく園内散策することができます。この「表門」は偕楽園の表門のこと、現在では常磐神社に隣接する東門から入る人が圧倒的に多いのですが、創建当初からこちらが表門、正式のルートなわけです。

好文亭表門入口バス停は住宅街の中にあって、本当にこの近くに偕楽園があるのか?という感じですね。バスの向かった方向に少し歩き、右に折れると、「好文亭表門通り」という静かな通りにたどり着きます。

f:id:kyony1024h:20200301110847j:plain
住宅街の中の「好文亭表門」バス停
f:id:kyony1024h:20200301111140j:plain
好文亭表門通り

好文亭表門通りを進むと左手に、偕楽園の入口があります。好文亭表門の手前に料金所があります。

偕楽園は2019年11月より入園料が有料化*2し、県外の方の大人料金は300円となりました。

県民は無料ですが、梅まつりの時期は県民でも入園料300円が必要です。しかしなんと、「水戸漫遊1日フリーきっぷ」を持っていると50円割引になり、250円で入園できます。お得ですね!
入園料の支払いはSuicaにも対応していましたが、公式Webサイトでは現金のみとありました。梅まつりの時期の対応だけなのでしょうか?

表門ですが、人通りは少なく、とても静かです。

f:id:kyony1024h:20200301111359j:plain
園外でも梅が出迎える
f:id:kyony1024h:20200301111547j:plain
好文亭表門

好文亭表門より入園し、一の木戸をくぐると、孟宗(もうそう)竹林に入ります。徳川斉昭が弓の原料として植えたのが起こりだとか。竹林の右側斜面を降りていくと、吐玉泉(とぎょくせん)と呼ばれる湧き水があります。水の流れに泉石が削られていき、時期が来たら取り替えるようです。現在の石は四代目とされており、昭和末期に取り替えられもの。太田の真弓山の大理石が使われています。

f:id:kyony1024h:20200301112027j:plain
孟宗竹林を進む

f:id:kyony1024h:20200301111832j:plain
心地よい日差し

f:id:kyony1024h:20200301112455j:plain
吐玉泉

好文亭中門をくぐると、いよいよ梅の庭園に出ます。門をくぐって右手には好文亭への入口があります。ちょっと並んでいたので、今回はパス。別の機会に。好文亭徳川斉昭が設計したとされており、建物からは園内を見渡すことができます。復元に合わせて制作された襖絵が見所だとか。

f:id:kyony1024h:20200301113124j:plain
好文亭中門
f:id:kyony1024h:20200301113216j:plain
好文亭入口

表門からの鬱蒼とした風景から一気に解き放たれ、華やかな梅林と緑豊かな千波湖を望む、広々とした視界に変わります。これが偕楽園が魅せる「陰陽の世界」なんだそうです。

偕楽園の南側から千波湖を望む風景が、私の一番好きな風景です。梅の花と緑豊かな千波公園と、駅南のビル群と複雑な構造の偕楽園下交差点、との対比がいいですよね。都市と公園、水戸を体現する風景だと思います。

f:id:kyony1024h:20200301114055j:plain
青空と緑と梅の花

f:id:kyony1024h:20200301120941j:plain
賑わう梅林

f:id:kyony1024h:20200301114430j:plain
好文亭

f:id:kyony1024h:20200301115057j:plain
常磐公園常磐線列車

f:id:kyony1024h:20200301120143j:plain
千波湖を望む

丁度お昼時。梅林南側には芝生の広場があって、お弁当を食べながら過ごす人が多かったです。暖かい太陽の下でのお弁当、確かにこれは気持ちよさそうです。

f:id:kyony1024h:20200301114026j:plain
見はらし広場でお弁当を食べよう

偕楽園の梅林は3,000本、100品種の、様々な梅を見ることが出来ます。特に香り高く形が良いとされる、「水戸の六名木」と呼ばれる梅の木があります。たくさんの梅の木それぞれの違いを見つけてみましょう。

f:id:kyony1024h:20200301111433j:plain
f:id:kyony1024h:20200301113733j:plain
f:id:kyony1024h:20200301120439j:plain

梅林東側に東門があり、そこを抜けると園外に出て、常磐神社の境内に入ります。常磐神社は徳川光圀徳川斉昭を祀っています。明治6年建立と、比較的新しい神社です。

屋台が建ち並び、偕楽園よりもこちらのほうがお祭りの雰囲気があります(特に今年は、園内開催のイベントもことごとく減っていますので)。常磐神社の下がJR偕楽園駅となります。水戸以南から鉄道で来られる方は、こちらで下車すると便利でしょう。下り側にのみホームがあって、上り(上野)方面は利用できません。ご注意を。

f:id:kyony1024h:20200301121351j:plain
常磐神社
f:id:kyony1024h:20200301121530j:plain
建ち並ぶ屋台
f:id:kyony1024h:20200301121513j:plain
階段を降りると偕楽園

常磐神社を東側に抜けると、細い道にバス停が立っています。ここから大工町・泉町を経て、水戸駅に帰るバスが発車しています。こうして、園内を横断して、帰ることができるわけです。水戸駅までは240円、初乗り170円は泉町3丁目までです。

f:id:kyony1024h:20200301121740j:plain
偕楽園常磐神社前バス停

このまま一気に帰っても良いのですが、せっかく公共交通で来たのですから、いろんなトコで飲んで帰りましょう。水戸には楽しい飲み屋がたくさんありますよ。

f:id:kyony1024h:20200308214658j:plain
水戸の夜を楽しもう!


今年は暖冬で、例年と比較して2週間ほど早く開花が見られ、2020年3月1日(日)の時点で、既に9割ほどが開花している状況でした。
偕楽園には様々な品種の梅が植えられており、遅咲きの梅もありますので、まだまだ楽しめます。梅の香りに誘われて、偕楽園に出かけてみるのはいかがでしょうか。

2020年の「水戸の梅まつり」は3月29日まで開催されています。

偕楽園(かいらくえん
[アクセス]水戸ICから車で約25分、水戸駅からバスで約10分

訪問日:2020年3月1日

*1:日本三名園:水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園。

*2:https://www.sankei.com/life/news/191101/lif1911010046-n1.html 産経新聞 2019/11/1『「偕楽園」有料化スタート 増収分活用し集客向上狙う』