kyonyの探訪記

茨城を中心に、交通や街並の風景をお届けします。だいたい毎週日曜更新、予定。

取手宿本陣染野家住宅(取手市)

茅葺きの染野家主屋

国道6号の基となった道である水戸街道は、千住と水戸を結ぶ脇往還で、取手宿は千住から数えて6番目の宿場町にあたります。

染野家は、代々取手の名主の家で、1687年に水戸徳川家より指定を受け、以来取手宿の本陣としての役割を担ってきました。染野家住宅は、平成になってから解体修理を経て、1996年に県の文化財指定を受けています。


取手駅の南、利根川と並行するように走る県道・取手東線。かつてこの道が水戸街道であり、取手市街もこの道に沿って形成されています。

▲新六本店の名物は奈良漬。隣の田中酒造とともに、宿場の名残を伝えるお店です。



▲染野家住宅は通りから少し入ったところにあり、ひっそりとした佇まいです。


▲表門は1805年に建てられました。1978年に台風による倒木で大破、のちに再建されたもの。


▲茅葺きの立派な主屋です。


▲入母屋造りの大きな玄関です。ここから身分の高い大名たちは、本陣に上がっていくわけですね。籠から直接出入りできるように式台も設けてあります。




▲広間・土間・茶の間です。染野家の住居部分にあたります。広間では本陣についての紹介ビデオが上映されています。



▲こちらが武士が滞在した、中の間・二の間・三の間・上段の間です。上段の間は床が20cmほど高くなっており、上級武士が滞在する部屋でした。



▲落ち着く縁側です。静かな時間が流れます。お茶で一服出来たらいいですね。


▲土間の天井には立派な梁組が見えます。長年の風雨に耐えてきた重みを感じます。


▲染野家住宅は宿本陣の役割を終えた後、明治初期には郵便局としての機能を持っていた時期がありました。馬蹄型の窓にその名残が残っています。

■旧取手宿本陣染野家住宅
[アクセス]取手駅より徒歩10分
[入場料]無料

取材日:2018年12月2日