kyonyの探訪記

茨城を中心に、交通や街並の風景をお届けします。だいたい毎週日曜更新、予定。

ひとっ風呂浴びに

山梨行ってきました。半日帰りの小旅行です。

西新宿のサラダバー。
普段不足しがちな緑黄色野菜をモリモリと食べている日曜の夜。明日の月曜日は、理由もなく有給休暇を取得。
一応、いちおう、念のため、新宿にはカブでやってきていました、防寒具を積んで。明日はお休みなので、これから夜通しでどこかへ向かってしまってもいいのです。

しかし外はそこそこの強風。
どうしようかなあ、と、ツーリングマップルを片手に、明日仕事である友人と話をする。友人は明日仕事だからか、たいした返事もしてくれない。

飽きられた友人に「いや、もう行けよ」と言葉を投げつけられ、結局行くことに決定。
時刻はそろそろ23時。サラダバー閉店の時刻。都庁は怪しげな光に包まれていました。

都庁

2週間ぶりの甲州街道

笹塚にて
3月下旬に、レンタカーで長野に向かった際のときに通った、甲州街道を再び走っています。今度は、カブで。

高尾山口駅前にて 写真を撮った渋谷区笹塚から、1時間ほどで、京王線終点の高尾山口駅に到着。
昼間は観光客で賑わうんでしょうが、このときは終電も到着したあとで、駅のシャッターは降りていました。駅前には寝過ごして来てしまったであろう方が、ひとり。

これから先の甲州街道には、大垂水峠という都県境の峠道が存在します。
この峠道、嘗てはローリング族のたまり場だったようで、峠の神奈川側では、土休日に限り125cc未満の単車が通行禁止になっています。
なので、休みの日にカブで山梨方面に向かうには、甲州街道でない道を選択する必要があります。

さて今回はというと、高尾山口駅前に到達していたときには、既に時刻は1時過ぎ、月曜日になっていました。サラダバーで閉店まで粘っていたのは、この通行禁止が解かれるときを待っていたからなのです。
堂々と、通ってヨシ。ピンクナンバーのカブがアタック開始です。

大垂水峠
峠の東京側は、勾配がきついものの、カーブの曲率半径はそれほどでもありません。
神奈川県に入ると駐停車禁止が敷かれます。確かに峠の神奈川側は、ヘアピンカーブが続き、見通しが悪く、停車してたら突っ込まれるでしょう。
なので残念ながら、神奈川県境の看板の写真はなし。

山梨県境
神奈川県に居たのは20分程度。すぐに山梨県境を迎えます。

猿橋#1 猿橋#2
先般の長野ドライブで通った際、ちょっとだけ気になっていた、猿橋に寄ってみました。
「日本三奇橋」の一つであるこの猿橋は、大月市東部にある刎橋(はねばし)と呼ばれる、特殊な構造を持った橋。重なりながらせり出ている、刎木によって橋が支えられているのが特徴なんだそう。

こういうところにひょいっと寄れるのも、バイクのフットワークの良さだからこそ。さて、もうちょっと西に進みましょう。

笹子峠入口#1 笹子峠入口#2
大月市街を過ぎると、笹子峠にさしかかります。せっかくなので、旧道を通ってみることに。街灯が全くないので、おっかなびっくり、峠道を上っていきます。

通行止ゲート

またか、この野郎。

無予告でこの仕打ちはひどい。 ずいぶん上ったのに。
泣きそうになりながら峠を下り、現道に戻って、長い新笹子トンネルを抜け、甲府盆地へと降りていくのでありました。

まあいろいろありましたが、順調に石和までたどり着きました。高尾山口駅前から2.5時間ほど。
ちょっと早かったので、ネットカフェで1時間ほど仮眠をすることにしました。

最高の風景と温泉を求めて

石和のネットカフェ
空が少し青くなってきました。時刻は4時半。出発です。
目的地は、ほったらかし温泉です。こんな早朝からやってるのかと心配になりますが、日の出1時間ほど前からオープンしているんだとか。

フルーツラインの風景
道中の広域農道から見た石和市街の夜景。いい感じです。ここからさらに登ったところにある温泉では、さぞいい景色を望むことが出来るんでしょう。
にしても、さむい。1℃て。ああ、はやく温泉入りたい。

ほったらかし温泉の看板 名前からして、ほったらかされているイメージがありますが、ちゃんと看板はありました。笛吹フルーツ公園の中を抜け、山に向かって走って行くと、到着します。

ほったらかし温泉 到着。ほったらかし温泉
なんだちゃんと整備されているじゃん。

ほったらかし温泉の案内
温泉はふたつあって、朝からやってるのは、「あっちの湯」とのこと。

あっちの湯 ゆるキャン△でも登場した風景。ここだったんだと今知る。

当然ながら浴室内は撮影厳禁。ということで文章だけでお伝えしますと、
眼下には甲府盆地、遠くには太陽が出てくる大菩薩連嶺、向きを変えると淡いシルエット富士山が拝めるという、私の人生の中で一番眺めのいい露天風呂が広がっていました。

日の出を拝もうと、早朝且つ平日にもかかわらず多くの人が湯に浸かっており、これ休日だともっと人が多いんだろうなあ、今日来て良かったなあ(人嫌い)とか思いながら、ぬるめのお湯にだらだら浸かりながら、日の出を待ちました。
5時40分ごろ、大菩薩連嶺から陽が差してきました。じわじわと峰が明るくなり、太陽が顔を出すと、あまりのまぶしさに目を開けていられませんでした。久しぶりにじっくり太陽を見たかも。

泉質は低張性アルカリ性温泉、露天風呂の温度は低めですので、じっくりと温まることが出来ます。私もさすがに、夜通しほとんど走りっぱなしだったので、反動で1時間くらい浸かっていました。

DSC05882 食事処 朝風呂目当ての客も多いからから、施設内には朝食を用意してくれるお店があります。その名も「きまぐれ屋」。500円で卵かけご飯定食がいただけます。

TKG
朝日 朝食
景色が最高のスパイス。
朝日に照らされる富士山と甲府盆地の風景を眺めながらの朝食は格別です。
ここまできたら、ゆるキャン△でも登場した「温玉揚げ」を食べてみたかったのですが、まだ売店はオープンしておりませんでした。ざんねーん。

たのしい山道ツーリング

ほったらかし温泉にて
そんじゃ、目的果たせたので、帰ります。(笑)
頼むぞ、カブ君。

甲府盆地
いやー、風景が素晴らしいです。これを眺めながら、今度はキャンプがしたいですね。

国道411号の交差点 塩山郊外にて
塩山駅前で給油し、塩山から国道411号へ。ここからは、柳沢峠を越え、丹波山、青梅街道という、人気のツーリングコースを駆け抜けます。

柳沢峠丹波山方向 柳沢峠
柳沢峠は、現在絶賛改良中。山裾を縫う路肩なし2車線道路から、橋梁とトンネルが交互に続く高規格な道路と変貌を遂げつつあります。
八王子まで81kmか……。

丹波山村丹波
丹波山村丹波の集落。
丹波山村多摩川の水源に位置する山村。東京の水源地であり、また国道411号は東京方面がよく整備されていたこともあって、山梨よりも東京との関わりが強いようです。バスも奥多摩駅から出ているようです。

青梅街道の起点 鴨沢橋
県境の集落、鴨沢。この鴨沢橋を越えると、東京都。道の名前が青梅街道になります。

鴨沢橋から見た多摩川 鴨沢橋の袂からは奥多摩湖の美しい風景を望むことが出来ます。

奥多摩湖#3 奥多摩湖#2
奥多摩湖を右手に望み青梅に向かってどんどん下ります。車もバイクも少なく、至って快適なツーリングでした。

新青梅街道
青梅から先は、交通量が半端ではない新青梅街道で都心へ向かいます。塩山から青梅までの80kmを2.5時間で走ってきたのに、青梅から新宿まで2時間かかってました。これだから東京には住みたくないんだよなあ。癒やしを求めて出かけても、東京に帰るときに、せっかく癒やした心が荒らされていく。

池袋 池袋には12時近くになっていました。

青梅街道で心が荒れたので、池袋東口の「宮城ふるさとプラザ」で宮城の日本酒を買い、昼間から酒を飲んでいましたとさ。

ま、あのほったらかし温泉の風景は素晴らしかったので、総合すれば楽しい日帰り、いや、半日帰りのツーリングでした。

最近まで、山梨ってあまり行ったことなかったのですが、最近好きになってきました。カブには適度な遠さです。次の山梨行きは、キャンプ道具を積んで一泊したいですね。

【走行記録】距離:285kmくらい 時間:9時間くらい