kyonyの探訪記

茨城を中心に、交通や街並の風景をお届けします。だいたい毎週日曜更新、予定。

「海を見ながらカップラーメン食べる」の旅

「海を見ながらカップラーメンを食べたい!!」

昨年9月に中古のクロスカブを買って以来ずっとそんなことを思っていましたが、そのまま冬に突入し、冬のバイクのつらさを痛感、カブに乗ってどこかへ行こうなんて、思えなくなってしまっていました。

そんな冬の寒さが和らいだ、3月3日土曜・桃の節句。天気は晴れ。

これは出かけないと損だぞ、と思った矢先に、「海を見ながらカップラーメンを食べる」という、忘れかけていた小さな願望を思い出し、此度、実行に移したしたわけなのです。

行き先は房総方面へ

前日、仕事がかなり立て込んだこともあり、この日起床したのは9時。まえがきのことに考えが至ったのが9時半、なんやかんや準備をして10時半、カブ旅にして遅めな感じもしますが、ようやっと池袋の自宅を出発したのでありました。

家から最も近く、誰も居なそうな浜辺、、、と思い巡らせ、とりあえずは房総方面に針路を取りました。雰囲気はやはり、広々とした太平洋を望む外房の方がいいのでしょうが、雄大な房総半島を、高速道路を走ることが出来ないカブで、これから横断するのは気が引けたので、内房に。妥協しまくりです。

いや、いいのです。
今回の旅は、「海を見ながらカップラーメンを食べる」ことを主目的としているので、それが達成できればいいのです。

心が折れそうになる東京湾岸道路

都心を30分で横断。有明から<国道357号・東京湾岸道路>に入りました。「さぁーていよいよこれから快走路じゃあ~」と、スロットルを開けようとを思った矢先、新木場・葛西と渋滞にはまり、早くもブルーに。春のような温かい日差しも、冬用のライダースーツを着て渋滞にハマっているバイク乗りには、暑いとさえ感じます。
旧江戸川を渡って千葉県に入ってからも、よく詰まる、日の出・若松の交差点が待っています。
律儀に渋滞で止まっているバイクは私くらいでした。後ろから来た玄人ライダーはみんな、渋滞中の車間をスイスイとすり抜けて行きます。私はまだまだバイク初心者なので、すり抜けなど怖くてできません。。。

ようやく、千葉市内へ。

時刻は12時半。2時間かかって、千葉市中央区まで到達しました。と同時に、ガソリンの補給。カブのタンク容量は小さいので、いつも燃料計があっという間に左へ傾きます。今回は、気づいたときにはEmptyを割っていました、あぶないあぶない笑

千葉市内にて

千葉市街を南に進み、国道357号はいつの間にか国道16号になって、再び京葉工業地域のプラントの際を通るような道になります。こちらは船橋習志野と違って、至って快適な流れ、旅情こそありませんが、さっき味わったストレスは、追い抜いた風とともに、徐々に消えていきました。

竹岡でのいい匂い

君津を過ぎると、この旅程で初めてのトンネルが。いよいよ景色は、山と海に挟まれるいい感じのものになってきました。あとは、美味しくカップラーメンが食べられそうな、寂れた浜辺を見つけるだけ。
竹岡という集落を走っていると、なにやら美味しそうな匂いが。そして左に目をやると行列が。なんなのだろうか。そのときはスルーをしましたが、後から調べると千葉三大ラーメン*1の一角・「竹岡式ラーメン」のお店らしい。おなかが減っていたし、気にもなりましたが、今日はカップラーメンを食べに来たのです。このとき初めて、「なんでカップラーメン食べるだけに100kmも走ってきてるんだ?」という疑問を、抱いてしまったのでした。
しかし、『水曜どうでしょう』で大泉さんが言った、「寒さと風と匂いと危険を感じる」*2というのはまさにその通りですね。

そして見つけた浜辺

竹岡を過ぎると、「津浜海水浴場」という看板と、そこへ至るであろう急坂の狭隘路を見つけたので、国道をそれて行ってみることに。
津浜の海
愛車、津浜の海にて
いいですね~。というわけで、目的地はここに、決定。
父親より譲り受けた、バーナーとアルミのクッカーを広げて、吹きすさぶ海風の中、お湯を沸かし始めました。初めての、屋外での湯沸かしです。今までアウトドアなんてやったことないですから、とても新鮮です。テンション上がります。

初めての湯沸かし
▲ビュービュー風が吹いていましたが、意外とすぐにお湯は沸きました。

海を見ながら、カップラーメン!

海辺はちょっとだけ寒かったのですが、温かいカップラーメンを食べるには全く丁度いい。海の向こうには三浦半島の風景が見えるので、大海原を前に、という訳ではなかったのですが、外でカップラーメンを食べているんだ、というちょっとしたアウトドア感から来る高揚感で満たされていました。自分、ちょろいな。 湯沸かし設備
カップヌードル

そそくさと食べた後は、しばらくぼーっとしてました。散歩の犬とか眺めてました。

愛車 ▲海の前では愛車も一段と映えますね。

愛車、初のフェリー。

目的を果たしたので帰ります。ずいぶんとあっさりです。さて、どうやって帰るか。
来た道は戻らない主義なのと、国道127号を走っているときに目についた「東京湾フェリー」の房総半島側の乗船場が、ここから5kmとかからない位置にあると言うことで、その乗船場である金谷港を目指すことに。念のためと、フェリーの時間を見たら、20分後に出港とのこと。こりゃ滑り込めるか?と思って、慌てて出発。
10分で金谷港に到着しました。勝手が分からないままに、バイクの待機場までやってきました。
「次のに乗船されますかー?」と聞かれ肯定すると、乗り込む前に乗船券を買うとのこと。それもそうか。待機場で切符をもぎるらしい。近くにある券売所で急いで購入。支払いが各種電子マネーに対応していたのに、少し驚きました。 乗組員さんに固定してもらって、愛車、初めてのフェリー乗船。私も初めて。 初フェリー

料金
▲110ccのクロスカブは原付区分。1,590円でフェリーに乗れちゃいます。

船内 ▲船内はこんな感じ。売店も備えています。

離れる房総半島
▲どんどん離れる房総半島。旅情は最高潮に。

久里浜港にて久里浜港にて。

牛歩の三浦半島

東京湾フェリーのあふれる旅情で心は満たされたのですが、不安要素が三浦半島の渋滞です。軍港が設置される天然要害だけあって、地形的に道の選択肢は少なく、そのため交通が集中するのです。覚悟していましたが、やはり横須賀市内と金沢文庫で地獄を見ました。
桜木町に入るときにはすでに日は暮れ、ブルーライト・ヨコハマ
国道1号に入って、あとはひたすら北上。都心は交通量が少なく、快適に走行できました。久里浜から池袋まで、正味3時間ほどでした。

所感

今まで茨城の実家との往復くらいでしかこの愛車を活用していなかったので、初めての旅情あるツーリングでした。なので総合的に旅を振り返ると、つらい渋滞よりも、旅情が勝ったという感じです。もうちょっと出発していれば、外房の広い海や、養老渓谷と言った千葉の魅力的な観光地を経ることが出来たのかもしれません、そこのところは後悔です。

千葉は近くて遠いので、まだまだ知らないところがたくさんあります。三大ラーメンを制覇するツーリングなんてのも、いいかもしれません。

また今回は、ちょっぴりですが、アウトドア的なこともしてみました。やっぱり、わくわくしますね、まだそこの好奇心は枯れていないようです。よかった。次はキャンプツーリングとかしてみたいですね~。

  【走行記録】距離:190.2km 時間:6時間20分くらい

おしまい。

*1:長柄町「アリランラーメン」、勝浦市勝浦タンタンメン」、富津市「竹岡式ラーメン」の三つと言われる。

*2:水曜どうでしょう』内の企画『72時間!原付東日本縦断ラリー』での一節